燃料費の負担増に悩む労働者を支援するため、企業がガソリン手当の支給やリモートワーク制度を導入しています。一方でShopee・Grab・Be Groupなどのデジタルプラットフォームも補助策を打ち出しており、対応は多方面に広がっています。
本記事ではガソリン価格高騰に対する各社の対応策について紹介します。
手当・在宅勤務で通勤費の負担を軽減
交通費補助とリモートワーク
Dan tri紙の2026年3月22日付記事によると、ホーチミン市やハノイ市の複数の企業が、ガソリン価格の急騰による生活費の増加を受け、従業員への手当支給やリモートワーク制度の導入に踏み切っています。
ホーチミン市に拠点を置く衣料品輸出入会社では、2025年3月19日から全従業員を対象にガソリン代補助制度を適用しました。支給額は以下のとおりです。
- 正社員:500,000ドン/人
- パートタイム社員・インターン:200,000ドン/人
同社の広報・文化部門責任者は、通知を受けた従業員のほぼ全員が賛意を示したとし、とりわけ製造部門の工員たちが会社の迅速な対応に感動を示したと述べています。
一方、ハノイ市内の物流企業に勤務する従業員によると、同社では3月10日からリモートワーク制度を導入したとのことです。月曜日と金曜日のみ出社が必要で、それ以外の日は在宅勤務か出社かを各自が選択できます。出退勤の厳格な記録管理は求めないものの、業務の進捗と品質の確保は引き続き義務付けられています。
同従業員は、リモートワークへの移行によって業務に大きな混乱は生じていないと述べています。ガソリン価格が上昇した時期には給油所に長い行列ができる状況が広がっており、特にラッシュアワーには通勤に支障をきたすケースもあったとしています。
徒歩通勤で交通費を半減
ハノイ市内のあるオフィスワーカーは、ガソリン価格の高騰を受け、約2kmの通勤路をバイクから徒歩に切り替えました。毎朝約30分早く起きる必要があるものの、対応可能な範囲だとしています。
同氏によると、以前は交通費が月収の8〜10%を占めていましたが(定期的な帰省費用を含む)、徒歩通勤に切り替えることで4〜5%程度に抑えられる見込みとのことです。また、以前は自宅から9〜10km離れた場所での外出や友人との交流も行っていたが、現在はそれも控えるようになったと述べています。
「徒歩通勤は健康改善にもつながる。長時間座りっぱなしのオフィスワーカーには特に有益だ」とも語っています。
燃料手当で復職を希望する元従業員も
Dan tri紙の2026年3月17日付記事によると、ゲアン省のHaivina Kim Lien社が、従業員2,225人に対し一人あたり500,000ドンの特別燃料手当を支給することを決定しました。
3月18日に出勤しているすべての従業員に対し、一人500,000ドンの特別燃料手当が支給されます。3月18日以降に入社または復職した従業員については、4月1日に同手当が支払われる予定です。
今回の措置は、燃料価格の上昇を背景に、通勤費の負担を少しでも軽減しようとする経営陣の姿勢を示すものです。労働組合委員長の説明によると、現時点で同社の従業員数は2,225人であり、一人500,000ドンの支給により、燃料費補助の総額は11億ドン以上となります。
Haivina Kim Lien社は、韓国資本100%の企業で、手袋・衣類・その他スポーツ用品の製造加工を専門としています。
労働組合委員長はさらに、「旧正月明けに全従業員を対象とした賃上げを実施しており、平均約500,000ドンの増額となった。従業員一人あたりの平均月収は7,500,000ドンに達している」と述べています。今回の燃料手当支給のニュースは従業員から好意的に受け止められており、すでに退職していた元従業員の中にも復職を希望する声が上がっているとのことです。
消費者・ドライバー双方への燃料費支援
Shopeeなどが消費者へ還元
Nguoi Lao Dong紙の2026年3月21日付記事によると、燃料価格の大幅な値上がりを背景に、多数のデジタルプラットフォームが消費者やドライバーとのコスト分担を目的とした支援プログラムを展開しています。
ECモール大手のShopeeは、傘下の電子ウォレットShopeePay と連携し、「ガソリン購入で20,000ドン相当のコイン還元」キャンペーンを3月17日から3月28日まで実施しています。対象となるのは、対応ガソリンスタンドでShopeePay を使い20,000ドン以上の燃料を購入したユーザーで、1人1日1回を上限に、20,000ドン分のShopeeコインが口座に付与されます。
また、同グループのフードデリバリーサービスShopeeFood は、全国のドライバーを対象に「日別燃料費支援」プログラムをすでに展開しており、稼働実績に応じて1日あたり20,000〜40,000ドンの支援を受け取ることができます。
なお、電子ウォレットサービスのMoMo も、アプリ内の無料交通違反照会機能を利用し車両状態を確認したユーザーに対し、ガソリン1リットル分相当のギフトをプレゼントするキャンペーンをすでに実施しています。
GrabやBeもドライバーの燃料費を補助
配車アプリのGrabは、ガソリン車を使用するドライバーを対象としたボーナスプログラムを実施しています。四輪ドライバーへのボーナスは、ホーチミン市・ハノイでは週間売上の7%、その他の地域では5%となっています。
二輪ドライバーについては、2大都市で週135,000ドン、その他の省・都市では最大週104,000ドンが支給されます。同プログラムは既存のボーナス制度と並行して適用され、同社は燃料コスト削減を目的に電気自動車への切り替えも推奨しています。
Be Groupも全国のドライバーを対象に燃料費支援パッケージを導入しており、車種および稼働状況に応じて最大月900,000ドンが支給されます。同社はあわせて、燃料市場の大幅な変動が続く状況においても運賃を安定的に維持することを約束しています。
本記事のまとめ(図解)
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