ベトナムの祝日は、労働法第112条により法定日数が定められています。一方で、旧暦正月(テト)や建国記念日などの具体的な休日日程は、暦の配置や社会的影響を踏まえ、毎年政府首相が決定します。法定日数は固定されているものの、実際の連休日程は年ごとに調整される点がベトナム祝日の特徴です。
本記事では、祝日制度の法的枠組みと、毎年どのように運用が決定されているのかを整理します。
2026年の具体的な祝日日程や、11月24日を新たな祝日とする制度化提案などの最新動向については、下記の記事をご参照ください。

ベトナムの法定祝日と制度設計
ベトナムの労働法第112条では、以下の祝日が有給で労働者に付与されることが定められています。
- 太陽暦の正月(1月1日)
- 旧暦の正月(テト):5日間
- 戦勝記念日(4月30日)
- 国際メーデー(5月1日)
- フン王の命日(旧暦3月10日)
- 建国記念日:2日間(9月2日とその前日または翌日の1日)
また、ベトナムで働く外国人労働者には、これらの祝日に加え、自国の伝統的な正月1日分と建国記念日1日分が付与されます。
週休日がこれらの祝日と重なった場合には、労働者は次の営業日に振替休日を取得します(労働法第111条第3項)。
「旧暦正月(テト)」および「建国記念日」については、実際の暦や社会状況を踏まえて、政府首相が毎年、日程を決定する権限を持っています(労働法第112条第3項)。
旧暦正月(テト)の日程は毎年調整
旧暦正月(テト)の法定休暇は労働法で5日間と定められていますが、実際の休日日程は毎年異なります。
2025年については、労働・傷病兵・社会省(現内務省)の通知(6150/TB-BLĐTBXH)により、1月25日(土)から2月2日(日)までの9連休とする日程が定められています。この日程は、法定の5日間のテト休暇に前後の週末4日を組み合わせたもので、対象は公的機関の公務員等ですが、民間企業も同様の日程を採用するよう奨励されています。
企業の場合、例えば以下のように年末と年始の日数の組み合わせを選択することが可能です。
- 年末(旧暦)1日+年始4日
- 年末2日+年始3日
- 年末3日+年始2日
いずれの方法を採用する場合でも、実施前に少なくとも30日前までに従業員へ通知する必要があります。
VnEconomy紙の2024年10月1日付記事によると、労働安全局(労働・傷病兵・社会省)局長は、毎年日程を固定しない理由について次のように述べています。
「旧暦正月の休暇は5日間と固定されており、政府がこれを変更することはできませんが、労働者の休暇がより便利になるように、間に挟まる休暇日を入れ替えることができます。例えば、ある年にテトの前後に土日が挟まる場合、政府は労働者がより充実した休暇を取れるように日程を入れ替えます。これにより移動費用が抑えられ、企業も生産計画を立てやすくなります。」
さらに、毎年の祝日・テト日程の決定には、関係機関からの意見聴取と政府決定という手順があります。翌年の案は通常、前年の8月から9月にかけて関係省庁や中央機関などから意見を集め、10月から11月にかけて正式に決定されます。
同局長は、この時期設定について次のように述べています。
「日程を2〜3か月前に公表することで、特に企業は生産・経営計画を適切に整えることができ、労働者も帰省や家族訪問、交通手段の手配、旅行計画などを早めに準備できます。」
戦勝記念日と国際メーデーの連休調整
ベトナムでは、戦勝記念日(4月30日)と国際メーデー(5月1日)が2日連続で祝日に設定されています。これにより、祝日が週末と重なる場合には、連休が形成されるよう日程の調整が行われることがあります。
ベトナム電子政府新聞の2024年4月20日付記事によると、2024年は、以下のような調整が実施されました。
- 祝日:4月30日(火)、5月1日(水)
- 調整:4月29日(月)を休業、5月4日(土)を振替出勤日とする
この結果、公的機関については、4月27日(土)〜5月1日(水)までの5連休が設定され、5月4日(土)に出勤することで業務日数の調整がなされました。
この調整は、労働・傷病兵・社会省が各省庁や関連機関から意見を収集したうえで首相に提案し、首相の同意を得て実施されたものです。
主なメリットとしては、以下が挙げられています。
- 労働者にとっての休暇の連続性の確保
- 観光・交通・消費活動の刺激(いわゆる「連休経済効果」)
- 業務日数の合計は変わらず、生産性への影響も抑制
しかし、この調整が決定したのは実施直前であったため、Tuoi Tre紙の2024年4月14日付記事では、「このような日程調整は早めに決定すべきだ」という意見が多数寄せられたと報じています。
2025年 については、通知(6150/TB-BLĐTBXH) により、早い段階で以下のような調整が実施されました。
祝日:4月30日(水)、5月1日(木)
調整:5月2日(金)を休業、4月26日(土)を振替出勤日とする
この結果、公的機関については、4月30日(水)〜5月4日(日)までの5連休が設定され、4月26日(土)に出勤することになりました。民間企業も同様の日程を採用するよう奨励されています。
建国記念日が2日間に拡大された背景
2021年から、建国記念日(9月2日)の祝日は、その直前または直後の1日が追加され、合計2日間となりました。これは、それまでの1日のみの休暇からの変更であり、2019年に制定された新しい労働法が2021年1月1日に施行されたことによるものです。
ネットメディア『カフェF』」の2020年8月31日付記事によれば、この追加の目的は以下のとおりです。
- ベトナムの年間祝日数が国際的に見て少ないことへの対応
- 5月から9月までの間に祝日が存在しない状況の改善
- 労働者が健康を回復し、家族と過ごす機会を増やすこと
2025年の公的機関のスケジュールでは、追加された祝日が9月1日(月)に設定され、前日の週末(8月30日・31日)と合わせて4連休となります。民間企業も同様の日程を採用するよう奨励されています。
実際の2026年の祝日日程や、11月24日の祝日化をめぐる最新状況については、下記の記事で整理しています。

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※本記事は、公開時点の各ニュースソースを参考に、主要なポイントを編集・再構成したものです。概要の紹介を目的としており、最新情報は公式発表などのご確認をお願いいたします。

