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【保存版】ベトナム地域別最低賃金制度の推移(2011年〜2024年)

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ベトナムで事業を行う企業にとって、地域別最低賃金の改定は、人件費計画や給与テーブル設計に直結する重要な要素です。

本記事では、2011年に外資・内資の最低賃金制度が統一されて以降、2024年までの改定履歴を時系列で整理し、改定時期・背景・制度運用の変化を振り返ります。

最低賃金制度の変遷を俯瞰することで、今後の改定動向を検討する際の基礎資料としてご活用いただけます。

目次

2011年〜2012年:年2回引き上げ、外資・内資の統一、10月改定

2011年は1月の最低賃金引き上げの後、10月に外資および内資企業の最低賃金が統一され、さらに引き上げが行われました。その後、2012年中は最低賃金が維持され、次の引き上げは2013年1月となりました。

(日本語仮訳)

2011年10月1日から2012年12月31日までの期間、会社、企業、協同組合、農場、家族経営、個人、その他労働者を雇用する機関や組織で働く労働者に対して、地域別最低賃金として月額140万ドンから200万ドンが適用されます。

10月1日から、地域別最低賃金が月額140万ドン~200万ドンに引き上げ |ベトナム電子政府新聞 – 2011年8月23日

2011年は物価の高騰により、最低賃金の引き上げが年に2回実施されました。

(日本語仮訳)

VnEconomyとのやり取りの中で、ファム・ミン・ファン労働・傷病兵・社会問題省副大臣は次のように述べました。

物価の高騰により労働者の生活が非常に厳しい状況にあり、現行の賃金では生活を維持するのが困難なため、政府は労働・傷病兵・社会問題省の予定したスケジュールに先立って最低賃金引き上げの提案を承認しました。」

これは2011年における2回目の最低賃金の引き上げであり、この水準は2012年12月31日まで適用されます。したがって、通常通りであれば行われるはずだった2012年1月1日の最低賃金改定は実施されません

最低賃金、10月1日から最高で200万ドンに引き上げ。|VnEconomy紙 – 2011年8月23日

2013年〜2020年:毎年1月1日の定期改定

この期間は安定して「1月1日改定」が続いた時期です。毎年、国家賃金評議会が前年に会合を開いて政府へ提案、それをもとに政府が12月末までに政令を公布し、1月1日から新しい最低賃金が適用されます。この方式は企業にとっても年次予算計画と整合が取りやすい面があります。

2020年〜2024年:コロナ禍と制度の揺れ

2020年:1月改定

2020年は例年通り、1月1日に最低賃金が引き上げられました。この時点ではまだ新型コロナウイルスの影響が顕在化しておらず、前年に協議された通りのスケジュールで進行しました。

2021年:据え置き

2021年はコロナ禍の影響で、企業の経済的負担を軽減するため、最低賃金は据え置きとなりました。

(日本語仮訳)

国家賃金評議会は、2021年の最低賃金を据え置くという勧告を行った根拠として、新型コロナウイルス感染症の国内外での流行が、国内の経済・社会全体に深刻な悪影響を与えていること、またその影響の程度を2021年について具体的に予測することが困難であることを挙げています。

最低賃金は過去何%上昇してきたのか?|VnEconomy紙 – 2020年11月4日

2022年:2年半ぶり、異例の「7月改定」

2021年に引き続き経済が不安定だったものの、労働者の生活水準保護のため、最低賃金が2022年7月1日から引き上げられました(政令第38/2022/ND-CP号)。これにより、異例の「7月改定」が実施されました。

(日本語仮訳)

これは、全国の労働者にとって朗報となるニュースであり、6月12日午前に開催されたファム・ミン・チン首相と労働者との対話の場で発表されました。

労働・傷病兵・社会問題省が政府に提出した文書では、一部の企業が「新型コロナからの回復のため、最低賃金引き上げの時期を2023年1月1日まで延期してほしい」と要望したことに対し、それを退ける立場を示しました。

同省は、「2022年7月1日からの最低賃金引き上げは極めて重要であり、国が労働者の生活を守るためにタイムリーかつ真剣に対応している証である。特に、新型コロナウイルスの影響を2年以上受け続けてきた状況を踏まえたものである」と述べています。

なお、今回の引き上げ幅は6%と大きくはなく、最低生活費を補う程度にとどまり、若干の改善にすぎません。また、多くの企業がすでにこの水準を上回る給与を支払っているため、企業の支払い能力には大きな影響を与えないとされています。

2022年7月1日から労働者の地域別最低賃金が6%引き上げへ|ベトナム労働・傷病兵・社会問題省公式サイト-2022年6月13日

2023年:再び据え置き

2022年の7月改定からわずか半年しか経っていないこともあり、2023年1月は改定なし。年内も引き上げは実施されず、在ベトナム日本商工会議所(JCCI)は、人件費の急激な上昇が企業活動に与える影響を懸念し、現状維持を求める意見書を政府に提出しています。同年末には次回改定に向けた交渉が再開しました。

(日本語仮訳)
在ベトナム日本商工会議所(JCCI)は、2024年の地域別最低賃金の調整に関連して、首相および関係省庁に文書を提出した。

JCCIが実施した「海外に投資する日本企業の現状」に関する調査(600社以上が対象)によると、46%以上の企業が2023年の売上を「減少」または「横ばい」と予測している。

特に人件費に関しては、75%以上の日本企業が「人件費の上昇は今後の投資における最大のリスク」と回答している。

JCCIによれば、ベトナムに投資している日本企業の給与引き上げ実績は以下の通り:

  • 2020年から2021年:5.4%の引き上げ
  • 2021年から2022年:5.8%の引き上げ
  • 2022年から2023年:5.9%の引き上げ予定

これらの上昇率は、タイ・インドネシア・フィリピンなどの他のASEAN諸国よりも高い

2022年に実際に賃上げを実施した企業数では、全体の96%が2022年~2023年の期間に給与を引き上げた

その結果、日本の製造業企業の平均給与(北部ベトナム・地域1~4の合算)は510万VND超となり、地域1の最低賃金水準(468万VND)を大きく上回っている

このため、JCCIは2023年の地域別最低賃金水準は維持すべきとの意見を提出した。
ただし、2024年1月からの最低賃金引き上げについては反対しないが、その引き上げ幅には配慮が必要だとも述べている。

企業は最低賃金の引き上げに反対しないが、引き上げ幅には注意が必要|ザンチー紙 – 2023年8月25日

2024年:2年ぶりの引き上げ、再び7月改定

2024年は、7月1日付で6%の引き上げが行われました(政令第74/2024/ND-CP号)。政令は2024年6月30日に公布され、翌日の2024年7月1日に施行されました。

(日本語仮訳)
労働・傷病兵・社会問題省によれば、地域別最低賃金はこの2年間据え置かれてきました。国家賃金評議会の技術部門による計算によると、2024年の消費者物価指数(CPI)の上昇率が約4.5%と見込まれる中、現在の最低賃金水準では2024年時点において労働者およびその家族の最低生活水準を維持できないとしています。

さらに、2022年と比較して、経済・社会的要因や労働市場、企業の支払い能力などがより良い方向に変化しています。たとえば、マクロ経済は引き続き安定しており、2023年の経済成長率(GDP)は5.05%、2024年第1四半期は前年同期比で5.66%の成長が見込まれています。

労働市場は回復の勢いを保っており、企業の生産・事業活動も良好な傾向を示しています。労働者の賃金や所得も安定して増加しており、四半期ごとに上昇しています。

また、7月1日から公務員など公共部門の給与も引き上げられることから、労使関係が存在する民間部門の労働者の最低賃金を調整しなければ、両者のバランスが崩れ、不公平感を生じさせる可能性があります。

これらを踏まえ、労働・傷病兵・社会問題省は、労働者の最低生活水準を守るために、地域別最低賃金の引き上げが非常に必要であると述べています。

2024年7月1日からの地域別最低賃金引き上げの新たなポイント|ベトナム政府電子新聞「政策・法律構築フォーラム」- 2024年6月28日

直近の改定内容および今後の改定動向については、以下の記事をご参照ください。

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※本記事は、公開時点の情報を参考に作成しており、今後変更となる可能性があります。また、具体的な運用は管轄機関によって異なる可能性があるため、実務上は事前にご確認をお願いいたします。

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