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ベトナムの雇用法改正案──失業給付の受給期間は延長するべきか?

相談窓口で失業に関する支援を受ける男女のイラスト。

ベトナムでは2025年4月現在、雇用法改正案の検討が進められています。その中で論点として挙がっているのが、失業保険による失業給付の制度見直しです。今回は、現行制度と改正案の要点を紹介しつつ、ベトナム労働総同盟や政府の見解を整理してお伝えします。

目次

現行の失業給付制度とは?

給付額の仕組み

現在の制度では、失業前6ヶ月間の平均賃金の60%が月額給付額となります。ただし、上限が設定されており、給与体系により異なります。

  • 国家の給与制度に基づく労働者:基本給の5倍が上限
  • 企業独自の給与体系の労働者:地域別最低賃金の5倍が上限

給付期間の決まり方

失業給付の支給期間は、失業保険への加入期間に応じて決まります。

  • 加入期間12~36ヶ月未満:3ヶ月間の給付
  • 以降、12ヶ月加入するごとに1ヶ月追加
  • 最大で12ヶ月間の給付

ベトナム労働総同盟の提案:受給期間の上限撤廃

ベトナム労働総同盟は、受給期間の制限を撤廃することを求めています。その主な理由は以下のとおりです。

長期加入者への公平性の確保

長年にわたり保険料を納めたにもかかわらず、給付期間が最長12ヶ月に制限されるのは不公平だと指摘しています。

高齢者や再就職困難な層への支援

年齢が高い労働者や特定業種の人々にとって、再就職までの期間が長引くこともあり、早期に給付が打ち切られると生活が不安定になります。

保険制度の魅力向上

長期加入することで保障が手厚くなる仕組みにすることで、労働者の加入意欲を高め、制度への信頼性や参加率向上にもつながるとしています。これは制度の長期的な財政安定性の確保にも寄与します。

加入144ヶ月(12年)超の保険料の取り扱い見直し

改正案には「加入期間が144ヶ月を超えると、その分の保険料は給付に反映されない」という規定も含まれており、保険料が無駄になる可能性があるという声が上がっています。

政府の立場:制度のバランスを重視

政府は、失業保険をあくまで一時的なセーフティネットと位置づけており、以下の理由から現行制度の基本設計を維持する姿勢を示しています。

再就職支援を促進する制度としての位置づけ

失業手当は、職業訓練や職業紹介などの施策とセットで運用されるべきであり、早期の市場復帰を促す仕組みが本来の趣旨であるとしています。給付はあくまで「再就職までの一時的な所得補填」であり、長期的な生活保障制度ではないという立場です。

給付期間の上限維持が必要

給付期間が無制限になると、再就職活動のモチベーションが下がる、あるいは「制度を使うだけで就職しない」状況を招く可能性もあるとされており、保険基金のバランスを保つためにも一定の上限は必要とする立場です。

おわりに

失業保険制度は、労働者の生活を支えると同時に、社会全体の雇用の流動性と安定性を担保する仕組みでもあります。また、企業にとっても、制度改正の動向は人件費の見通しや離職時の対応など、実務面に影響を及ぼす可能性があります。今後もこうした制度変更の動きをお伝えしてまいります。

ベトナムの人事に関するお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

※本記事は、公開時点の各ニュースソースを参考に、主要なポイントを編集・再構成したものです。概要の紹介を目的としており、最新情報は公式発表などのご確認をお願いいたします。

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