ベトナムの行政区統合が本格化する中、ホーチミン市とハノイ市は余剰人員への対応策を急ぎ、削減目標と再就職支援策を具体化しています。2025年5月末時点で報じられた両市の施策を整理しました。
ホーチミン市
人員削減計画と現場の課題
Tuoi Tre紙の2025年5月23日付記事によると、ホーチミン市人民委員会は、行政区統合後に発生する余剰人員を5年間で毎年給与総額の4%(約4,500人)を削減するロードマップを公表しました。また、市全体で約6,000人の非常勤職員の業務終了も計画しています。
現場では以下のような反応があり、年齢や雇用形態によって不安要素が異なっています。
- 副主席クラスのベテラン職員が若手に席を譲るため定年前に自主退職を選択。
- 30~40代の非専任職員は、低い手当や子育て負担を抱え、再就職難を懸念。
- 修士号を持つ中堅職員は配置換えの可能性によるキャリア停滞を心配しつつ、地域にとどまって働き続けたい意向を示す。
支援策の概要
ホーチミン市は、
- 国有企業への優先採用や経験を生かせる民間企業の求人を紹介。
- 職業訓練を実施し、民間企業のニーズに合った技能を取得できるよう支援。
- 各部局は再配置が難しい職員のリストを内務局へ送付し、同局が市内の他部局や上位機関への紹介・異動を仲介する仕組みを整備。
- 創業支援の融資や各種支援策を案内。
これらを組み合わせ、キャリア継続と生活基盤の安定を両立させる仕組み作りを進めています。
ハノイ市
余剰人員の規模と対応方針
VnEconomy紙の2025年5月29日付記事によると、ハノイ市内務局は、行政再編で約11,000人の余剰人員が見込まれると報告。市は「余剰人員の100%に対する支援」を掲げ、職業相談、技能転換研修、職業紹介を行う計画を市人民委員会に提出しています。
労働市場の現況と追加施策
2025年1~4月にハノイ市は88,000件の就職実績を上げ、前年同期比で失業率を10%下げました。既存の雇用吸収力をさらに高めるため、
- 企業を招いて就職フェアを推進。
- 労働市場のニーズに合った職業訓練を提供。
- 中小企業の投資を誘致し、新規雇用創出を後押し。
- 2025~2030年に職業教育の質を向上させるプロジェクトを実施。
これにより、市は余剰人員の市場復帰と地域経済の活性化を目指しています。
おわりに
ホーチミン市とハノイ市は、組織のスリム化と再就職支援を両輪で進めています。今後、公務員出身者が民間へ流入する動きや行政窓口の体制変化が予想され、各種手続きや人材市場にも波及していく見込みです。
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※本記事は、公開時点の各ニュースソースを参考に、主要なポイントを編集・再構成したものです。概要の紹介を目的としており、最新情報は公式発表などのご確認をお願いいたします。

