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ベトナムにおける労働災害の最新動向と企業の取り組み

建設現場で安全確認する作業員とベトナム国旗

ベトナム国内における2024年の労働災害は前年比で12%増加し、2025年に入ってからも、工事現場や製造現場で重大事故が発生しています。本記事では、ベトナム国内で報告された具体的な事故例や統計データ、そして企業が取り組む労働安全衛生の事例についてご紹介いたします。

目次

労働災害の深刻な事例と影響

相次ぐ重大事故と犠牲者

2025年4月20日、ホーチミン市12区タンフン・トゥアン区の家屋解体作業中に、老朽化した壁が突然崩れ落ちました。作業員3名のうち2名は間一髪で逃れたものの、47歳の男性が下敷きになり死亡しました。彼は一家の大黒柱であり、子どもを養っていたため、その家族は大きな生活苦に直面しています。

同様に4月17日、ビンズオン省のミン・アン・ヴィナ社が所有する工場改修現場において、金属製の床面を解体中に一部が突然崩落し、下敷きとなった3名の労働者が命を落としました。彼らは日雇い契約で社会保険や医療保険などには未加入だということでした。

被害の拡大と統計データ

ベトナム内務省の報告によると、2024年に国内で発生した労働災害は8,286件に上り、死傷者は合計8,472名に達しました。これは2023年と比較して、事故件数が892件、被害者数が919名増加したことになります。うち、675件の事故で727名が亡くなり、1,690名が重傷を負いました。とりわけ建設、鉱産資源の採掘、建材製造、機械や金属加工、繊維、履物製造などは死亡事故が多発しており、ホーチミン市やビンズオン省はベトナム国内で特に死者数が多い地域として挙げられています。

企業による労働安全衛生の取り組み

安全衛生チームと定期点検

ホーチミン市タンフー区にある化学系企業Tico社では、労働災害防止を最優先課題として掲げています。同社は早期に「安全衛生員チーム」と「応急救護チーム」を設立し、17名のメンバーを製造ライン全体に配置しました。毎週・毎月の総点検に加え、各グループが常時巡回し、作業手順や設備が労働安全衛生の規定を満たしているかを確認しています。

さらに、同社は作業工程の自動化を進め、オペレーターがパソコン上で機械を制御する仕組みを導入しています。それでも、2~3カ月ごとに4つの生産ラインを順次停止し、3~7日間の保守・点検を実施。機械の異常や老朽化を早めに発見し、労働災害を未然に防ぐための対策を徹底しています。

また、社員の職務内容に応じて、安全衛生に関する知識を習得する研修を実施。特に安全衛生員や応急救護員には、電気設備や機械の操作、救急処置などの包括的なトレーニングを行い、事故発生時に適切な対応ができるよう備えています。

保護具の徹底と健康管理

ホーチミン市10区にある建設会社Hung Vuong社も、毎年法律に基づいた労働安全衛生計画を策定し、定期的な研修を行っています。全労働者に安全保護具を支給するだけでなく、健康診断や職業病検診を実施し、従業員の健康管理を徹底しています。

同社には、安全衛生員ネットワークと労働保護委員会があり、常に各工場での作業状況を監視・点検。もしリスクが見つかった場合は直ちに対策を講じる体制を整えています。その結果、全ての設備や機械が安全基準をクリアし、常に安全な生産環境を維持することに成功しています。

さらに、同社は作業環境の改善と技術革新のための「イノベーション提案」を奨励。こうした取り組みから多くの有益なアイデアが生まれ、労働災害リスクの低減だけでなく、経済的利益や製品の品質向上にもつながっています。

おわりに

2024年のベトナム国内における労働災害は、建設や製造業を中心に増加傾向にあります。しかし、従業員への継続的な教育や安全管理体制の強化を通じて、事故の発生を抑制している企業も数多く存在しますので、今後も各企業の取り組みや技術革新が進むことで、より安全な労働環境の実現が期待されます。

ベトナムの人事に関するお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

※本記事は、公開時点の各ニュースソースを参考に、主要なポイントを編集・再構成したものです。概要の紹介を目的としており、最新情報は公式発表などのご確認をお願いいたします。

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