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【2026年5月更新】ベトナム公務員給与は新政令で8%引き上げ、基礎賃金と社会保険料の関係

ベトナム公務員給与と社会保険料の上昇を示すイラスト

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ベトナムでは2025年7月、行政単位の再編に伴う大規模な人員削減により、公務員一人当たりの業務量が増加した一方、待遇改善は進んでいませんでした。こうした状況を背景に、2026年1月への前倒し引き上げ案も浮上しましたが、最終的には例年どおり2026年7月に基礎賃金を約8%(234万ドン→253万ドン)引き上げる方針が示されており、2026年5月15日付で政令第161/2026/NĐ-CP号が公布されました。

一方で、基礎賃金はこれまで社会保険料や健康保険料の計算基礎の上限と関係しており、その引き上げは保険料負担の増加にもつながっています。

本記事では、基礎賃金と社会保険料の関係、そして2026年の基礎賃金引き上げに関する最新動向について紹介します。

目次

基礎賃金と社会保険料の計算基礎上限

基礎賃金を基準とした上限設定

ベトナムでは基礎賃金(lương cơ sở)公務員の給与・手当の算定基準として使用されており、2024年7月1日から基礎賃金は2,340,000VND/月(政令第73/2024/NĐ-CP号)に設定されています。

この基礎賃金はこれまで次のように社会保険料や健康保険料の計算基礎の上限に用いられていました。

  • 社会保険料・健康保険料の計算基礎の上限額
    • 計算基礎:基礎賃金の20倍
    • 現行の上限額:46,800,000VND/月(= 2,340,000VND × 20)

これにより、被保険者の給与が高額であっても、保険料負担が過度に増えないよう設計されています。また、基礎賃金の引き上げが行われると、給与水準によっては保険料も合わせて増加していました。

一方、失業保険料の計算基礎の上限額は別の基準で定められており、地域別最低賃金の20倍が上限とされています。2024年7月1日以降の地域別最低賃金(政令第74/2024/NĐ-CP号)に基づくと、以下の通りです。

  • 第1地域:99,200,000VND(4,960,000VND × 20)
  • 第2地域:88,200,000VND(4,410,000VND × 20)
  • 第3地域:77,200,000VND(3,860,000VND × 20)
  • 第4地域:69,000,000VND(3,450,000VND × 20)

「参照額」を基準とした上限設定

2025年7月1日より施行された改正社会保険法(第41/2024/QH15号)では、第7条において、社会保険料や給付額を算定するための新たな基準として「参照額(mức tham chiếu)」を導入しました。

社会保険法の主な規定は以下の通りです。

  • 第7条(参照額)
    政府が決定する金額で、社会保険制度の拠出・給付額の算定に用いる。
    消費者物価指数(CPI)、経済成長率、国家予算および社会保険基金の状況に応じて調整される。
  • 第141条第13項(経過規定)
    基礎賃金が廃止されるまでは「参照額=基礎賃金」とする。
    廃止時点においても、参照額は基礎賃金を下回らない水準に設定される。
  • 第31条(社会保険料の計算基礎)
    強制社会保険料の上限は「参照額の20倍」と定められている。

これにより、2025年7月1日以降、社会保険料・健康保険料の計算基礎の上限は「参照額」に基づいて定められ、基礎賃金が廃止されるまでは「参照額=基礎賃金」とされます。

給与制度改革の新たな段階へ

過去7回の「基礎賃金」引き上げ

Báo Đầu Tư紙の2025年9月10日付記事によると、政府は2013年以降、「基礎賃金(lương cơ sở)」を7回にわたり引き上げてきました。主な改定は以下の通りです。

  • 2013年7月1日:1,150,000VND(政令第66/2013/NĐ-CP)
  • 2016年5月1日:1,210,000VND(政令第47/2016/NĐ-CP)/前回比+5.2%
  • 2017年7月1日:1,300,000VND(政令第47/2017/NĐ-CP)/前回比+7.4%
  • 2018年7月1日:1,390,000VND(政令第72/2018/NĐ-CP)/前回比+6.9%
  • 2019年7月1日:1,490,000VND(政令第38/2019/NĐ-CP)/前回比+7.2%
  • 2023年7月1日:1,800,000VND(政令第38/2022/NĐ-CP)/前回比+20.8%
  • 2024年7月1日:2,340,000VND(政令第73/2024/NĐ-CP)/前回比+30.0%

当初は「共通最低賃金(mức lương tối thiểu chung)」という名称でしたが、2013年以降は「基礎賃金(lương cơ sở)」と「地域別最低賃金(mức lương tối thiểu vùng)」が区別されるようになりました。「基礎賃金」は、公務員や職員の給与および手当の算定基準として用いられています。

都市部との格差と今後の課題

内務省によると、2013年から2024年にかけて企業部門の地域別最低賃金は年平均5.96%上昇し、公務員の基礎賃金も消費者物価指数(CPI)を上回る伸びを示しています。しかし、7回の引き上げを経ても、公務員や職員の実質的な収入は依然として大都市の平均的な生活水準に追いついていません。複数の関係者は、抜本的な改革が行われなければ、優秀な人材が公共部門から民間部門へ流出する「頭脳流出」の傾向が続くおそれがあると指摘しています。

今後の改革では、職務や成果に応じた透明な給与体系の確立、業績評価制度の強化、組織のスリム化が求められています。また、社会保険制度との連動を図り、退職後も安定した生活を支える持続的な仕組みの構築を目指す方針です。

2026年1月1日からの基礎賃金引き上げ提案

首相、予算運営と賃上げ計画を説明

Nguoi Lao Dong紙の2025年10月30日付記事によると、同日午後に行われた国会での国家予算執行状況に関する討論の終盤、首相は歳入歳出の管理や公共投資の執行、そして賃上げのロードマップについて説明しました。

首相は、現任期の予算方針が「人と組織への支出」「国防・治安の維持」「社会保障の確保」という3つの柱に基づいており、いずれも適切に配分されていると述べました。また、「社会の公正や進歩を犠牲にしてまで成長を追求しない」と強調し、持続的な財政運営の姿勢を示しました。

国会議員の早期引き上げ提案と政府の対応

首相は、政府が財政収支の均衡を慎重に計算しており、感染症や自然災害など不確実要素が多い中でも「入るを量りて出ずるを制す」方針を維持していると説明しました。さらに、歳入増加分のうち70%を給与引き上げに充てていると述べ、国民生活を重視する姿勢を示しました。

今回の第10回国会会期では、複数の議員から2026年1月1日からの基礎賃金引き上げを求める意見が出されました。政府は当初、2026年7月1日からの実施を想定していましたが、こうした提案を受け、関係機関と協議のうえで前倒し実施の可能性を検討する考えを示しています。

現行水準の不十分さを指摘する声

一方で、議員からは現行の基礎賃金2,340,000VND/月(2024年7月1日から適用)が物価水準に見合っていないとの指摘が相次ぎました。

ヴィンロン省選出の国会議員は、都市部での最低限の生活費が月4,500,000〜5,000,000VNDに達しており、多くの公務員や労働者が生活に苦しんでいると訴えました。

また、タインホア省の議員は、行政単位の再編により業務量が増加する一方で、待遇が改善されていないと指摘。職務に応じた給与制度の整備と、地方行政職員への適正な処遇を早急に検討すべきだと提案しました。

基礎賃金を2026年7月から8%引き上げ予定

基礎賃金は234万ドンから約253万ドンへ

Nguoi Lao Dong紙の2026年3月13日付記事によると、2026年7月1日から基礎賃金を約8%引き上げる方針が示されており、月額給与や各種手当、社会保険など複数の制度に影響が及ぶ見込みです。

この内容は、2026年3月9日にラオカイ省第1選挙区で行われた第16期国会議員候補者と有権者の接触会議において、党中央委員会書記であり副首相が説明したものです。

現在の基礎賃金と改定後の水準は次のとおりです。

  • 現行:2,340,000ドン/月
  • 改定後:約2,530,000ドン/月
  • 増加額:約190,000ドン/月(約8%)

基礎賃金の引き上げが実施された場合、公務員、職員、労働者に関係する多くの収入項目や制度が同時に調整される可能性があります。現在、公共部門の給与は「給与=基礎賃金×給与係数」により算定されているため、基礎賃金が引き上げられると、等級、号俸、職位ごとの給与係数に応じて支給額も増加します。

また、多くの手当や給付は基礎賃金を基準として計算されているため、基礎賃金の改定に伴い関連制度も同時に調整されます。さらに、年金、功労者手当、社会保護手当、社会年金給付などについても、基礎賃金および関連基準額の引き上げに合わせて見直しが行われ、具体的な調整幅は政府が別途定める方案によって決定される予定です。

社会保険料の計算基礎の上限引き上げ

現行規定では、基礎賃金は一部対象者における強制社会保険の算定基準として使用されており、社会保険算定の対象となる給与は次の範囲内と定められています。

  • 最低額:基礎賃金以上
  • 最高額:基礎賃金の20倍以下

基礎賃金が2,530,000ドンとなった場合、計算基礎の上限は次のように引き上げられる見込みです。

  • 現行上限:46,800,000ドン/月
  • 改定後上限:50,600,000ドン/月
  • 増加額:3,800,000ドン

この上限引き上げにより、高所得者層では社会保険料の負担も増加します。計算基礎の上限に達している場合の増加額の目安は次のとおりです。

■会社負担(合計20.5%=社会保険料17.5%+健康保険料3%)

  • 月額:779,000ドン増加
  • 年間:9,348,000ドン増加

■本人負担(合計9.5%=社会保険料8%+健康保険料1.5%)

  • 月額:361,000ドン増加
  • 年間:4,332,000ドン増加

13〜15%程度の引き上げを求める意見

政令草案に各省が相次ぎ異議

VnExpress紙の2026年4月21日付記事によると、内務省は基本給を現行の2,340,000VNDから2,530,000VNDへ、7月1日付で引き上げる政令草案を作成し、現在、法務省が審査を行っています。現行水準が企業部門の地域別最低賃金平均の56%にとどまっており、公務員・職員・軍人の生活水準を十分に保障できていないことが引き上げの理由とされています。

草案に対しては、Lai Chau省やDak Lak省などの地方が2,530,000VNDを上回る水準への引き上げを求めています。各機関の主な指摘は以下の通りです。

  • Lai Chau省:想定水準が「2026年の企業部門における地域別最低賃金平均の約56.6%」に過ぎない
  • Dak Lak省:8%の引き上げ率では物価上昇に見合わない
  • 教育・訓練省:調整後も公務員の最低給与が企業部門の地域別最低賃金平均を下回る
  • Can Tho市:職位に応じた給与改革のロードマップと連動した段階的な改善と、優秀人材の確保・定着に向けた取り組みの強化が必要

国会でも「生活保障に不十分」

ベトナム電子政府新聞の2026年4月23日付記事によると、Vinh Long省選出の国会議員も2,530,000VNDへの引き上げを不十分と評価しました。

給与の初任係数1.86が適用される新任公務員の月収は保険控除前で約4,700,000VNDにとどまる一方、都市部の最低生活費は一般的に6,000,000〜7,000,000VND/月とされており、収入と生活ニーズの間に大きな乖離があると指摘しました。2026年1月1日からの地域別最低賃金(4地域平均:約4,470,000VND/月)と比較しても、初任係数1.86での月収はその平均をわずかに上回る程度、係数2.10でも第1地域の最低賃金(5,310,000VND)にやっと届く水準にすぎないとしています。

さらに2025年中、以下の費目がCPI全体を上回る速度で上昇しており、公務員世帯が避けられない支出だと強調しました。

  • 住宅・電気・水道・建設資材:8.30%増
  • 薬品・医療サービス:12.92%増

基本給の8.12%引き上げについても、多くの人の実感は「以前よりましになった」程度にとどまると述べました。

265万〜270万ドンなら「実感できる改善」

同議員は、現段階においてより合理的かつ実現可能な方策として、基本給を月額2,650,000〜2,700,000VNDに引き上げることを提案しました。

この水準では、初任係数1.86の公務員が約4,900,000〜5,000,000VND//月、係数2.10の公務員が5,500,000VND超/月となり、現行の234万ドンと比較した増加額は月あたり310,000〜360,000VND(上昇率約13〜15%)になるとしています。低所得層にとって明確な意義を持つとともに、企業部門の地域別最低賃金との格差縮小にも資するとしました。

財政面については、人員削減・公的支出の再構成・非効率支出の縮減を伴う形での実施が可能であり、財政への過大な圧力を生まないと分析しています。

なお、Gia Lai省選出の国会議員は、2段階地方自治体制の導入によりコミューン級が担う業務量が大幅に増加した実態を指摘し、役割にふさわしい給与政策の制度調整を求めました。あわせて、制度導入から1年を経た時点での組織体制や人的資源の充足状況について、実態に即した客観的な評価を行うよう要請しています。

新政令公布、7月より基礎賃金8%引き上げ

ベトナム電子政府新聞ザンチー紙の2026年5月18日付記事によると、政府は2026年5月15日付で政令第161/2026/NĐ-CP号を公布し、2026年7月1日から公務員に適用される基礎賃金を現行の2,340,000ドンから2,530,000ドン/月へ引き上げると定めました(引き上げ幅は8%)。公務員の給与は基礎賃金に給与係数を乗じて算定される仕組みであり、基本給の改定に伴い全俸給表も改定されます。公務員において最高水準となる上級専門家職の給与は、7月1日以降25,300,000ドン/月に達する見込みです。

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※本記事は、公開時点の各ニュースソースを参考に、主要なポイントを編集・再構成したものです。概要の紹介を目的としており、最新情報は公式発表などのご確認をお願いいたします。

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